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歯周病

歯周病について

歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨などの歯周組織に炎症が起こる病気です。初期には自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。当院では、歯周病の原因や予防、治療法について詳しくご説明し、患者様一人ひとりに合ったケアを行っています。

歯周病:直接的な原因(歯垢・バイオフィルム・歯石)

歯垢、バイオフィルム、歯石

歯の表面に付着する細菌の塊を「歯垢(プラーク)」といいます。これが長時間放置されると膜のように強固に付着し「バイオフィルム」となります。さらに、歯垢が唾液中のカルシウムなどと結合して石灰化したものが「歯石」です。
バイオフィルムや歯石は、ご家庭での歯磨きでは除去できず、歯科医院で専用の器具を用いて取り除く必要があります。

こうした汚れを長期間放置しないためにも、定期的なプロのクリーニングが重要です。そして最も大切なのは、毎日の歯磨きで歯垢をためないこと。適切な歯ブラシ・歯磨き剤を選び、正しい方法でケアしましょう。

歯周病:間接的な原因

歯垢などの直接的な原因に加えて、歯周病を悪化させる「間接的なリスクファクター」もあります。
歯並び・噛み合わせ・悪習癖・不適合な被せ物などの局所的な要因と、ストレス・運動不足・喫煙・食習慣・睡眠不足・肥満・遺伝・薬の副作用などの全身的な要因があります。

歯周病治療は、まず原因を取り除くことが基本ですが、生活習慣などの全身的リスクを減らすことも大切です。とはいえ、生活習慣の改善は簡単ではありません。当院では、無理のない範囲で改善をサポートしています。

歯周病:オーラルケアグッズの選び方

オーラルケアグッズの選択

歯周病やむし歯予防には、毎日の歯みがきが欠かせません。その中心となるのが、歯ブラシ・歯磨き剤・デンタルリンスです。

当院では、歯周病の患者様にジェルコートFを、インプラント治療中の方にはジェルコートIPをおすすめしています。また、歯肉活性化にリペリオを、洗口液には殺菌効果のあるコンクールFを使用。診療前にもコンクールFでうがいをお願いしています。

市販品から歯科専売品まで多くの製品がありますが、ご自身の口腔状態に合ったものを使うことが大切です。お気軽にご相談ください。

歯周病:歯ブラシ・歯磨剤・洗口液の選び方

歯ブラシ選び

毎日の歯磨きは、家庭でできる最も基本的な予防です。歯ブラシの選び方や磨き方を見直すことで、歯垢の蓄積を防ぎ、歯周病を予防できます。

当院では、患者様の口腔状態に合わせて歯ブラシや歯磨き剤を選定し、使い方もアドバイスしています。ジェルコートFやインプラント専用ジェルコートIPのほか、洗口液には殺菌効果のあるコンクールFを推奨しています。

歯周病:急性発作

歯周炎の急性発作

歯ぐきが急に腫れる、噛むと痛い、歯が浮いた感じがするなどの症状は「歯周病の急性発作」の可能性があります。
体調不良や疲労、ストレスなどが引き金になることも多く、放置していると症状が悪化します。

治療は、まず炎症を鎮めることから行います。感染症の入口は「口腔」です。口の健康は全身の健康につながります。体調が優れないときほど、口腔ケアを大切にしましょう。

歯周病:検査と診断

当院では、口腔内写真・レントゲン・歯周ポケット検査などを行い、骨・歯肉・汚れの状態を詳しく確認します。さらに唾液検査(ライオン社のSMTシステム)で、むし歯菌や酸性度、白血球・タンパク質・アンモニア値などを測定し、総合的に口腔内を評価します。

歯周病:機械的な歯面清掃(PMTC)

PMTC

PMTCは、専用の機械を用いて歯の表面のバイオフィルムを除去するプロのクリーニングです。当院では、松風のメルサージュ、ウエルテック社のコンクールジェル、GC社のPTCペーストなどを使用し、歯面の状態に合わせて使い分けています。早めのケアで歯周病を予防しましょう。

歯周病:歯石除去(スケーリング・SRP)

スケーリング

スケーリングは、歯肉の上に付着した歯石を取り除く初期治療です。歯肉炎の段階で行うことで、症状は大きく改善します。

さらに進行した場合は、歯茎の中(縁下)の歯石まで除去するSRP(スケーリング・ルートプレーニング)を行います。当院ではグレーシーキュレットという専用器具を使用し、丁寧に歯面を滑沢に整えます。

歯周病:薬剤による治療補助

歯周ポケット内に抗菌薬を注入して炎症を抑える方法もあります。ペリオクリン(サンスター)やミノサイクリン(昭和薬品)などの抗菌薬を使用し、週1回程度の頻度で塗布します。

ただし、歯周病の根本治療はスケーリングやSRPによる歯石除去です。薬剤はあくまで補助的なものとして用います。

歯周病:SPT(歯周病の重症化予防)

SPT

SPT(Supportive Periodontal Therapy)は、歯周病治療後の安定期に行うメインテナンスです。
日々のブラッシング(ホームケア)と、歯科医院での定期的なクリーニング(プロフェッショナルケア)を組み合わせることで、再発や重症化を防ぎます。

現在は、歯周病重症化予防という保険制度も始まり、安定している患者様も保険で定期的なケアを受けられるようになりました。
予防の時代に合わせた新しい歯科の形です。

歯周病:「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

当院は、厚生労働省が定める「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に認定されています。
これは、むし歯や歯周病の重症化を防ぎ、継続的に口腔の健康をサポートする体制を備えた歯科医院です。

治療だけでなく、予防やメインテナンスを通じて地域の皆さまの健康を支える役割を担っています。

歯周病:周術期の口腔ケアと機能管理

周術期とは、手術前後の期間を指します。この時期は体の抵抗力が低下し、感染や合併症のリスクが高まります。
当院では、中核病院や医科歯科連携施設と連携し、周術期の口腔ケアと機能管理を実施。口腔の清掃だけでなく、機能回復を目的としたケアで、全身の健康維持を支えています。

歯周病:糖尿病との関係

歯周病は糖尿病の合併症の一つとされ、高血糖によって感染防御機能が低下し、歯周病菌の増殖を抑えにくくなります。
また、歯周病の炎症がインスリンの働きを妨げ、血糖コントロールを悪化させることも報告されています。

つまり、歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼす関係にあります。歯科での定期的なケアは、糖尿病管理にもつながります。

歯周病:認知症との関係

九州大学の研究により、歯周病菌が脳内に影響を与え、アルツハイマー病の発症や進行に関与する可能性があることが報告されています。
歯周病を予防・治療することで、認知症の進行を遅らせる可能性があると考えられています。

健康な歯と歯ぐきの維持は、心身の健康を守る第一歩です。

歯周病:歯周病と循環器病

歯周病にかかっている人は、そうでない人と比べて循環器病を約2倍くらい発症しやすいことがわかってきています。実際、アテローム性動脈硬化が起きている場所から歯周病菌が検出されたという報告もあります。歯周病が循環器病に悪影響を与えるメカニズムは、歯周病菌が直接関与する場合と、間接的に障害を受けた歯周組織から出される因子が影響する場合があるようです。その他にも歯周病と糖尿病などの関連が示されています。実際に糖尿病にかかった患者さんの歯周病治療には、保険治療のオプションも増えています。このように、これまでの科学者の研究から、歯周病の治療と予防は、全身の健康(もちろんすべてではないですが)に深く関連する可能性は高いと思われます。定期的なメンテナンスで歯肉炎・歯周病の悪化を予防しましょう!

歯周病:歯周病と肝臓病

歯周炎が起こると歯周ポケット内に細菌とその細菌(LPSなど)の産生物が増えます。これらが血管内に入り血流を介して肝臓に達します。その後、肝臓の炎症を悪化させることがわかってきました。特に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と歯周病原菌の関係が徐々に解明されつつあります。全身疾患と歯周病の関係が明らかになり、ますます口腔ケア、予防歯科の重要性が増しています。詳しくは日本歯科医師会のホームページをご覧ください。

歯周病:妊娠性歯肉炎

妊娠すると女性ホルモンの分泌が増え、免疫力が低下し、口の中の環境がかわります。また、つわりなどで歯磨きができない妊婦さんもおられます。虫歯のリスクも高まります。さらに、妊娠性歯肉炎も起きやすく、重度の歯周病は早産や低体重児出産などのリスクが高まることも報告されています。これらの理由で、行政機関である福山市でも、妊婦歯科健診(プレママ歯っぴい健診)を無料で実施しています。福山市の妊婦歯科健診(プレママ歯っぴい健診)をご希望の方は、お電話でご相談ください。また保険診療で、口腔環境を整える治療の一部が妊婦さんには、毎月、特別に認められているものもあります。それだけ、妊婦さんの口腔内を整えることは、赤ちゃんのためにも妊婦さんのためにも重要だということがわかりますね。福山市の妊婦歯科健診(プレママ歯っぴい健診)の受診と妊娠性歯肉炎のことならお気軽にご相談ください。

歯周病:中高生の生活習慣と歯肉炎

中学生、高校生は部活動や受験勉強などで忙しく生活が不規則になることも多いと言われています。近年では長時間のゲームや携帯電話の使用などによって歯肉炎が発症しやすくなるという報告もあります。将来、自分の歯で一生食べるためには、中学生、高校生の時に歯肉炎を発症し重症化しないように生活習慣を見直してみましょう。

歯周病:歯科健診

福山市歯周病検診 (噛ミング検診):まきひら歯科クリニックは福山市歯周病検診(噛ミング検診)の認定医療機関です。現在は対象者全員が無料です。歯周病と全身の健康との関係が明らかになってきました。つまり歯周病の管理は非常に大切です。受診を希望される方はお気軽にご相談ください。

福山市妊婦歯科健診 (プレママ歯っぴい健診):まきひら歯科クリニックは福山市妊婦歯科健診(プレママ歯っぴい健診)の認定施設です。健診は対象者全員が無料です。妊娠性歯肉炎を早期に解決しましょう。お気軽にご相談ください。

後期高齢者歯科健診(広島県):後期高齢者歯科健診は「広島県後期高齢者医療広域連合」から受診券が届いた方が対象です。口腔機能のチェック等を実施し、誤嚥性肺炎等の疾病予防を図ります。健診は対象者全員が無料です。

企業検診(歯科):一般企業の従業員の方の歯科検診を受け付けております。費用は1名あたり3,300円(税込)からです。内容により費用は異なります。詳細はお気軽にお問い合わせください。

参考文献

・歯科衛生士のための21世紀のペリオドントロジーダイジェスト 天野敦雄 著/クインテッセンス出版