顎関節症
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顎関節症について
顎関節症について記載します。
顎関節症の類型
![顎関節症](/wp-content/uploads/chin-arthrosis_img001.jpg)
顎関節症には様々な症状があり、そして顎関節症という病名には類型があります。
I型: 咀嚼筋障害
主に顎関節の周囲の筋肉に症状がある場合です。
II型: 関節包・靭帯障害
顎関節痛があり顎関節部の安静が必要となります。
III型: 関節円板障害
関節を動かすと雑音(クリッキング)がしたり、口が開きにくかったりの症状があります。
IV型: 変形性顎関節症
関節を動かすとクレピタスという雑音がする場合があります。開口障害も現れることがあります。
V型: その他
他覚症状を伴わない顎関節痛・筋痛を症状とします。
治療ステップ
問診→口腔内外診査→レントゲンなどの検査→スプリントによる保存療法開始
→顎運動の指導→スプリントの調整→口腔内外診査→レントゲンなどの検査
→メインテナンス
(すべての症状がこの治療ステップの適応ではありません)
歯ぎしり・食いしばりの詳細はこちらです。
スプリントとは
当院で顎関節症を行う時に患者様の状態によってはスプリントもしくはアプライアンスを作製し、
筋肉の緊張や下顎頭の位置などを調整します。すべての顎関節症の患者様が適応ではありません。
スプリントは、主にスタビライゼーションスプリントやリポジショニングスプリントと
呼ばれる種類のものを当院は利用します。
患者様の状態によっては上顎ではなく下顎の歯列を覆うスプリントを選択することもあります。
スプリントは長期に使用すると逆に痛みを惹起したり、
歯列不正を引き起こすこともあり定期的な調整が必要となります。
スプリントの種類
顎関節症の治療を行う際にスプリント(マウスガードのようなもの)を製作し、
患者さまに使用していただくことがよくあります。
顎の状態を改善するためによくされる一般的な方法です。
もちろん、使用するには診断が必要です。
保険治療で認められていて、そのスプリントの名称を保険用語では、
最近、口腔内装置と呼ばれるようになりました。
「口腔内装置1」は、
義歯床用アクリリックレジン樹脂(硬いプラスティックのような素材)により製作されたもので、
咬合関係(かみ合わせ関係)が調整されたものです。
「口腔内装置2」は、
熱可塑性シート(アクリリックレジンほど硬くない既製品のシート)等を歯科技工用成型器により
吸引・加圧して製作、 または、型取りして作った模型に直接常温重合レジンを圧接して
製作された口腔内装置で、咬合関係(かみ合わせ関係)が調整されたものです。
「口腔内装置3」もありますが、
咬合関係(かみ合わせ関係)が付与されていないもののため顎関節治療にはあまり用いられないと思います。
患者様の顎関節症の状態によって、上記の適応を選択します。
また口があきにくい、顎が痛いなどはかみ合わせだけではなく、
不適切な顎の開け閉めなど様々な要因があります。
関連症状 (口が開かない)
顎関節症になった際に、症状として口が開かない場合があります。
このような開口障害を主な症状とし、関節円板転位が原因と考えられる場合、
自己開口訓練が有効と言われています。
もちろん、歯科医師の診断後の、指導のもとでの訓練です。
自己流は危険です。
開口訓練すると逆に痛みが増す場合などは、中止したほうがいいですが、
訓練ですので多少の痛みを伴うこともあり、
鎮痛剤服用下での訓練を実施することもあるかもしれません。
関連症状 (関節円板と開口障害)
顎関節には、関節円板という軟骨があります。
これが適切な位置からずれると関節の動きを妨げることがあります。
また、顎関節の周囲の筋肉、いわゆる咀嚼筋の痛みのため顎がうごかせなくなる場合があります。
こういったケースでは”口が大きくあけられない”といういわゆる開口障害という症状がでます。
また、大きく口を開けないで長い間いると、顎関節や筋肉の動きが制限され、
開口障害という状態になることもあります。
機能的な問題ではなく、腫瘍などで顎が動かず、口が開きにくいなどの
特殊な原因疾患がある場合もあります。
顎の病気は長引くことが多く、自分で判断せず、歯科医院を受診することをお勧めします。
参考文献
- クラウンブリッジ補綴学 医歯薬出版株式会社