歯科技工物(マウスガード)
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歯科技工物とは?
歯科技工物とは、虫歯の治療につめ物や被せ物、入れ歯や歯の矯正のための装置、顎関節症の治療時に用いるマウスガードなどのことを言います。国家資格を持つ歯科技工士が、患者様に合わせて適切な歯科技工物を製作しています。
当HPの3つの歯科技工物専門ページ
2: 歯科技工物(入れ歯)
3: 歯科技工物(マウスガード)(現ページ)
顎関節用スプリントとは?
顎関節用スプリントとは、顎関節症の治療に使用されるマウスピース型の取り外し可能な装置です。顎関節症は、あごの関節に痛みや音が出たり、口が開けにくくなったりする病気です。顎関節用スプリントには、顎を安定させて関節にかかる力を軽減させる働きがあります。これにより、顎関節症の痛みやその他の症状を緩和することが期待できます。スプリントには種類があり、スタビライゼーションスプリント、リポジショニングスプリント、リラクセーションスプリント、ピボットスプリントと呼ばれます。これらは顎関節症の症状によって使い分けます。なかでもスタビライゼーションスプリントは、最も代表的なスプリントであり、顎関節症にオールマイティに使用できると考えられています。
歯ぎしり用マウスガードとは?
歯ぎしりは、無意識に上下の歯を強く噛み締めたり、擦り合わせたりする行為のことです。歯ぎしりによって、歯がすり減ったり損傷したりするだけでなく、頭痛や顎関節症などの症状を引き起こす可能性があります。歯ぎしり用マウスガードも顎関節用スプリントと同様に、スタビライゼーションスプリントが使用されています。
スタビライゼーションスプリントの一般的な作り方
顎関節用スプリント、歯ぎしり用マウスガードのどちらも上下の口の中の型取りをして、歯並びを再現した石膏模型を作ります。スプリントとマウスガードの素材には、入れ歯用のレジン樹脂を使用する場合や熱可塑性のシートが用いられています。
- 歯科医院で上下の口の中の型取りをして、歯並びを再現した石膏模型を作ります。
- 上の歯の歯型にスプリントを設計します。スプリントが口の動きの邪魔にならないように、模型上に設計線を書きます。
- 樹脂シートを加熱し、柔らかくしてから成形器で加圧します。模型にシートを圧接することで、歯にぴったり合う形にします。
- 設計線に沿ってカットし、形を整えます。
- シートの上に常温重合レジンを盛り上げ、下の歯の模型と噛み合わせます。
形を整え、噛み合わせを調整して完成させます。
スプリント療法は、患者さんによって効果が異なります。適切なスプリントの選択と装着は、歯科医と相談して決定することが重要です。
スポーツマウスガードとは?
スポーツマウスガードは、運動中の歯や口の怪我を防ぐために使用される保護デバイスです。主に接触スポーツや格闘技など、顔への衝撃が予想されるスポーツで使用されます。マウスガードは、歯、歯茎、唇、頬、舌などの部位を保護し、衝撃による怪我や歯の損傷を軽減する効果があります。上の歯に装着するものがほとんどですが、競技に合わせて異なる厚みのものや、上下一体型のマウスガードもあります。
スポーツマウスガードには、市販品と歯科医院で作製するカスタムメイドのものがあります。
既成の市販品
市販されている一般的なマウスガードは、さまざまなサイズが用意されています。低価格で手軽に入手できますが、個々の歯列に合わせることが難しく、フィット感が十分でないことが欠点です。
カスタムメイドのマウスガード
カスタムメイドのマウスガードは、歯科医師や歯科技工士によって個々の歯列に合わせて作製されます。個人の歯型をとり作製するため、最適なフィット感と保護性能を発揮して、快適に使用できることが最大の利点です。健康保険適用外で歯科医院に3回程度の受診が必要です。
カスタムメイドのマウスガードの一般的な作り方
- 歯科医院で上下の口の中の型取りをして、歯並びを再現した石膏模型を作ります。
- 上の歯の歯型にマウスガードを設計します。マウスガードが口の動きの邪魔にならないように、模型上に設計線を書きます。
- マウスガード用のシートを加熱し、柔らかくしてから成形器で加圧します。模型にシートを圧接することで、歯にぴったり合う形にします。
- 設計線に沿ってカットし、形を整えます。
- 噛み合わせを確認し、ツルツルに磨いて完成させます。
スポーツマウスガードの選び方は、競技レベルや予算に応じて異なりますが、適切なフィット感や保護性能を提供できるものを選ぶことが重要です。また、定期的に交換やメンテナンスを行うことで、長期間効果的に使用することができます。
ホワイトニング用カスタムトレーとは?
ホワイトニングには、歯科医院で漂白を行うオフィスホワイトニング、歯科医院でホワイトニング用のカスタムトレーを作製し、家で漂白を行うホームホワイトニング、そしてこれらを組み合わせて行うデュアルホワイトニングなどがあります。ホワイトニング用カスタムトレーも、患者さん個人の歯型をとり、シートを石膏模型に圧接することで作製します。トレーの内部にホワイトニングジェルを注入したのち、歯に装着します。
参考文献
- 顎関節症・歯ぎしりに対する口腔内装置(スプリント)の指針 公益社団法人日本補綴歯科学会
- 歯科医院でつくるスポーツマウスガードガイドブック 一般社団法人広島県歯科医師会
- 歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針 一般社団法人日本歯科審美学会